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アルテッツァ バイヤーズガイド

みなさんこんにちは。名古屋大学自動車部です。

今回は、トヨタ「アルテッツァ」について、元所有者である執筆者が、こんなところ良かった、こんなところが悪かった、といった情報を、独断と偏見に基づき、紹介させていただきます。

これからアルテッツァを買いたいと思っている方の、バイヤーズガイドのようなものとなれば幸いです。

図1 アルテッツァ
図1 アルテッツァ

アルテッツァについて

【鳴り物入りで誕生】

まずは「アルテッツァ」とは、どのようなクルマであったのかを紹介します。

1998年、IS200(日本名、アルテッツァ)という名前で、トヨタから新型セダンが誕生しました。「95%の日常と、5%の非日常のために」というコンセプトのもと、当時日本市場で減少していたFR方式を採用し、「操る楽しさ」を追求したスポーツセダンとして、周囲の期待を背負って発表されました。

運動性能を重視したその設計は、高剛性ボディ、大人4人が余裕をもって乗車できるキャビンに、ロングホイールベース、ショートオーバーハング、エンジン重心位置やバッテリー、燃料タンクをホイールベース内に収め、上位グレードにはあえて4気筒エンジンを採用するなど、徹底的に「走り」を求めたパッケージで、当時の新世代スポーツを予感させるものでした。

図SEQ ARABIC 2 優れたパッケージ
図2 優れたパッケージ

【大コケ!?メディアの酷評】

こうして鳴り物入りデビューしたアルテッツァでしたが、なかなかメディアの評判は厳しいものでした。

BMW3シリーズなどといった、ヨーロッパ製の4ドアセダンに対抗するため、高剛性シャシーを設計したのは良かったのですが、そのために1370kgという、当時にしては重量級の車重になってしまったこと。

この車重を、2L自然吸気エンジンで走らせるには、少々パワー不足であったこと、などが災いし、「重い」「パワーない」などと言われ、ほぼ同時期に日産からは「S15シルビア」、ホンダからは「S2000」が誕生し、本格的なスポーツ走行を目的とする人にとっては、中途半端なクルマとなってしまいました。

もちろんそういったスポーツカーとは、少々コンセプトが異なることは先に述べた通りです。

【再発見、アルテッツァの魅力】

そんなアルテッツァの誕生から20年、あらためてアルテッツァを見てみると、なかなか面白いクルマなのです。

設計段階から力が入っており、走りのための素性はしっかりしています。ローパワーではあるものの、素直なハンドリング。扱いやすいサイズ感でありながら、4ドアセダンということもあり、普段の使い勝手の良さは、文句ありません。

当時重いと言われた車重は、現在のクルマと比べれば軽いと言えます。タマ数自体は多く出たので、中古車市場相場も下がってきており、安いものだと20万円ぐらいから手に入るモデルもあります。

一昔前のAE86とまでは言いませんが、お手軽に買えるコンパクトFRスポーツと言えるのではないでしょうか。

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【狙い目のグレード、年式は?】

さて、実際にアルテッツァの中古車を探してみるとして、どの個体が狙い目なのか。ここではグレード、年式による差異を簡単にですがまとめます。

・グレード
グレードは6気筒1G-FEエンジンを搭載したAS200、4気筒3S-GEエンジンを搭載した上位グレードのRS200があり、それぞれベースグレードとZエディションが存在します。

AS200のZエディション、RS200のMTモデルは、17インチホイールが装着され、それに合わせてブレーキも大径のものが採用されています。のちにASのMTモデルや、内外装を海外レクサス仕様としたLエディションも追加されました。

図3 エンジン種類
図3 エンジン種類

グレードを表にまとめると以下のようになります。

図SEQ ARABIC 3 エンジン種類

※限定モデルやリミテッドは省略しています。

ベースグレードとZエディションの違いは、シート地、ステアリング材質、フロントフォグランプ、プライバシーガラスなどの装備の有無で、Zエディションはお買い得モデルというべきグレードです。

一方Lエディションは豪華仕様で、先に述べたように、海外向けのレクサスIS200と同等の仕様となっており、専用パワーシート、本革巻シフトノブ、アームレストなどが装備され、プレミアムなグレードとなっています。

図4 前期型
図4 前期型

【前期型(98年10月~01年4月)】
中古車市場25万円~。タマ数が多く、年式が古くなっていることもあり、相場が低く手に入れやすいモデルと言えます。

しかし、ヘッドランプがハロゲンであったり、内装が傷みやすい塗装であったりなど、後期型で改善された、不満点が多いモデルもこの年式です。

このあたりを割り切って購入できる方には、おすすめの年式と言えるでしょう。

図5 後期型
図5 後期型

【後期型(01年5月~05年7月)】

中古車市場50万円~。マイナーチェンジを受け、人気も高く相場は少々高くなっています。

主なマイナーチェンジの変更点
・スプリング、ショックアブソーバーの変更(RS200のMT)
・ファイナルギアの変更(MTモデル)(4.1→4.3)
・AS200AT車に大径ブレーキのオプション設定
・ラジエターグリルの意匠変更
・ディスチャージヘッドランプのオプション化(後ベースグレード除き標準装備)
・メーターの意匠変更(RS200のMT)

その他、カタログに記載されていない内容など多々ありますが、多すぎるので割愛します。

一時期ヘッドランプクリーナや、アイボリーカラーの内装、リアコンビランプのカラーがダークスモーク(濃色系ボディカラー限定)など、豪華装備も追加設定されましたが、後にコストダウンのために廃止されています。

そのため中古車販売店でそのような個体を発見したり、あるいは所有していたりした場合は、なかなかレアなものだと思ってください。

特にダークスモークカラーのリアコンビランプは人気で、元々装着されていない年式、グレードの個体に取り付けるオーナーも多いため、中古部品相場は高く、2万~3万円で取引されています。

図SEQ ARABIC 6 リアコンビランプ
図6 リアコンビランプ

【個人的におすすめしたいグレード】
まず1つ目はガンガン走りたい人向けに、後期型の初期に生産されたRS200のZエディションです。

トヨタもスポーツグレードである、RS200の改善には手を入れており、後期型の生産の際に、メーターデザイン、ダンパーセッティングなど、AS系では見送られた変更点が、RS系では多々見られます。

また相場も最終型と比べると、年式が古く低いので、狙い目であると言えます。逆に最終型は装備が簡易化されている割に相場が高い印象があります。

2つ目は、AS200のLエディション。「え、下位グレード?」とお思いの方もいるかもしれませんが、6気筒モデルはスポーツ性とプレミアム性を程よく両立した、ある意味一番アルテッツァらしいグレードと言えるかもしれません。

ワインディングも楽しみたいけど、普段の街乗りの快適性を犠牲にしたくない、という方にはピッタリのクルマです。

アルテッツァ買った!どうやって乗る?

実際にアルテッツァに乗ってみると、満足のいく部分、期待と違った部分は多々出てきます。ここでは、執筆者が感じた不満、もしくはここがいい!といったポイントをまとめます。

1.不満点

「街乗りでのパワー不足」

私は4気筒モデルに乗っていたので、あくまでRS200の場合をお話させていただきます。高回転域の回転の伸び、出力は申し分ない(知り合いのノーマルDC2インテグラタイプRと、ストレートの加速は互角でした)のですが、その分低回転のトルクは犠牲になっています。

そのため、街乗りでは正直乗りにくいエンジンです。2000rpm以下はほとんど使えません。

信号が青になったときの加速(ごく一般的な加速です)はイマドキの軽カーにも劣ります。身近なパワーアップの方法として、ターボ化、スーパーチャージャー化などの手法が人気です。

私はエンジン関連はノーマルで乗っていたので、経験談などはありませんが、出力を上げていくと、熱やミッション、デフなど、駆動系の強度が問題になってくるようです。
他にもJZ系の1JZ、2JZなどの6気筒エンジンを換装する例も多いですね。

「吹けが鈍い」

これもアルテッツァオーナーからよく聞かれる意見です。17インチのタイヤや、ワイヤースロットルと電子スロットルを、組み合わせて制御している点と、重いフライホイールが悪さをして、気持ちのいい加速感、アクセルレスポンスはあまり得られません。

解決案として、16インチホイールへの交換(約10万円)、スロットルコンバートキットの装着(部品代約3万円)、軽量フライホイールへの交換(クラッチ込みのものだと約7万円)、ファイナルギアのローギア化(新品部品がないので価格は変動)などが挙げられます。どれもなかなかハードルが高いものです。

私は16インチ化と軽量フライホイールの装着を行いましたが、16インチ化はあまり体感できるほどの違いはありませんでした。

効果が大きいのはフライホイールの交換です。コストはかかりますが、それ以上の満足感が得られます。

「内装が傷みやすい」

これは前期型でよくみられるトラブルです。俗に言う、「ダッシュボードがベタベタする」トラブルです。

なんでも塗料に原因があるそうです。後期型では改善されたものの、私の所有していた個体(後期型)でも発生していました。

気になる方は再塗装しましょう。

「ギア比」

「アルテッツァ ギア比」と検索ワード予測で出てくるほど、アルテッツァの問題点として有名なところです。

具体的には1→2→3の回転落ちが大きい割に、3→4→5→6が異常にクロスしています。騒音規制に対応するためそのようなギア比になってしまったようです。

トヨタもこの問題点を、後期型でファイナルギアを「4.3」に変更することで、対応しました。これにより、低速域の吹け上がりは良くなったのですが、高速道路の100km/h巡航では、6速で3000rpmを超えてしまうので、人によってはうるさいと感じます。

シルビアS15の6速ギアが流用でき、巡航時の回転を下げる手法がよくとられています。またTRDや他のチューニングショップから、クロスミッションも発売されましたが、TRDのものはすでに廃盤となっており、中古部品でも非常に高価で取引(相場30万円~)されています。

「燃費」

今までに述べたエンジン特性、車重、ギア比が相まって、アルテッツァは自然吸気の車の割には非常に燃費が悪いです。

高速道路などでの巡航時の燃費は、リッター13~14キロを達成しますが、街中でのドライブですと、リッター7~9キロほどです。

これからの購入を検討している方は、この点を覚悟しておいてください。おまけに3S-GEはハイオク指定です。

2.良かった点

「ちゃんとしたセダン」

今の相場からは想像しづらいですが、細かい部分を見ていくと、当時開発時のトヨタの気合を、感じるところがたくさんあります。

トラクションコントロール、防眩ミラー、サイドエアバッグ、熱線入りのドアミラーなど。

BMW3シリーズ、アルファロメオ156をライバルにしただけあって、価格の割に、質感が非常に高いセダンとなっています。これを新車当時、250万円程度で発売したトヨタは、立派ではないでしょうか。

「荷物、人が載る」

406リットルのトランクスペースと、トランクスルーで、積載能力に不満を感じることは、おそらくないです。ゴルフバッグ、スキー板、あるいはサーキットを走る人であれば、タイヤ、工具など、あらゆるユーザーの荷物に対応してくれます。

後部座席も足元は広く、ゆったりとした座り心地を実現しています。2シーターやオープンカーとは違い、スポーツカーの中でも、普段使いを犠牲にしない魅力的な存在です。

図7 優れた積載能力
図7 優れた積載能力

「ハンドリングが素直」

先述のように、優れた重量配分、ボディ剛性により、優れたハンドリングを実現しています。その動力性能ゆえに、トヨタも当時アリストなどに採用されていた電子制御であるスタビリティコントロールを、あえてキャンセルしたとか。

私が運転していたときの感覚としても、アンダーステア、オーバーステアの出始めの挙動がわかりやすく、唐突な挙動がでにくいので、運転しやすい印象でした。

「ブレーキが効く」

17インチホイールのグレード用の大径ブレーキは、アルテッツァより300kgほど重いアリストに採用されていたブレーキで、車重が重いと言われたアルテッツァですが、ブレーキ性能は非常に優秀です。

サーキットを走行する方でも、よほど大きなサーキットを走らない限りは、パッド交換くらいで十分対応できます。

図8 大径ブレーキ
図8 大径ブレーキ

「整備性が良い」

ベーシックな、FRレイアウトであるアルテッツァは、あらゆる部品へのアクセスがしやすく、整備のしやすい車です。特にエンジンルームは、6気筒エンジンを縦置きにおける設計ですので、非常に広々としています。

年式が古くなってきただけに、整備性の良さというのは、大きなポイントです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。アルテッツァに対するイメージは変わりましたか?

速く走りたいと思う方には、少々物足りないクルマであることは、否定しません。しかし、一般の人が街乗りをして、その中でドライビングを楽しむ、クルマ本来の操る楽しみを味わうには、素晴らしい素材です。

このクルマは欠点や不満点が、少ないとは思いませんが、それらを自分なりの方法で向き合いながら、少しずつ自分好みの仕様に仕上げていく、そういった楽しみがあるクルマだと言えます。

少ない知識で書かせていただきましたが、これからアルテッツァに乗ってみたいと思っている方、アルテッツァについて知りたいと思っている方への、助けになれば幸いです。
(写真はカタログを引用しています)

【執筆:名古屋大学体育会自動車部】

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