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回生ブレーキ?排気ブレーキ?意外と知らない「ブレーキ」の種類

こんにちは、北海道大学自動車部です。

皆さんは普段からエンジンブレーキを有効に活用していますでしょうか。
我々は雪道を運転する際、タイヤがロックして制御不能に陥らないようにエンジンブレーキの緩やかな減速力を多用します。

アクセルのオンオフのみで車速を調整できるのはエンジンブレーキのおかげですが、これはエンジンの機械的なエネルギーロスが回転に対する抵抗となり制動力として働くからです。

この制動作用は一般的なガソリンエンジンだけでなくディーゼルエンジンにもあるのですが、大量の荷物や人を運ぶトラックやバスなど重量のある車両にとっては制動能力として十分ではありません。
そこでこれらの大型車には様々なブレーキ補助装置が搭載されており、原理も様々なものが存在します。

また、トラックやバス以外に搭載されている「補助ブレーキ」もあります。
今回はいくつかの補助ブレーキを紹介すると共に、改めて「ブレーキ」の種類やその効果についてまとめてみようと思います。

まずはじめに…「ブレーキ」とは。

「車の三要素」という言葉をご存じでしょうか。
これは自動車が便利で安全な「自動車」としてあるために必要な「走る」「曲がる」「止まる」の3つの基本要素を指します。

この3つのうち最も大切なのはどれでしょう?
色々な考え方があるかもしれませんが、自動車は人にとって「安全」であることが最も大切であると考えると、それは「止まる」だとされています。

車が止まるための制動装置を「ブレーキ」と呼びますが、かなりの昔から今に至るまで、その主役は最も制動力が大きい「摩擦ブレーキ」です。

これはペダルを足で踏むことによって注射器のような原理で液体(ブレーキフルードという)に圧力(これを油圧という)をかけ(この圧力は通常ブレーキブースターで高められる)、その圧力で各車輪のブレーキシステムを作動させる仕組みであり、このブレーキシステムが摩擦を発生させることによって車の運動エネルギーを熱エネルギーに変換し、減速力として利用するため摩擦ブレーキと呼ばれます。

また、ペダルを足で操作することから「フットブレーキ」とも呼ばれます。
現在ではその摩擦を発生させる機構は「ディスク式」と「ドラム式」の2種類がメインとなっています。

補助的なブレーキ

さて、技術の発達と共に車の安全装備は次第に充実してきましたが、車を減速させるために用いる主なブレーキは未だ摩擦ブレーキです。
そんななか、様々な方法で車の制動能力を「補助」する装置が開発されました。

これらを一般に「補助ブレーキ」又は「ブレーキアシスト」と呼びます。
これには様々な種類があるので、以下に紹介します。

<回生ブレーキ>

摩擦ブレーキにおける熱エネルギーなどのような、これまで損失として捨てられてきたエネルギーを回収して利用することをエネルギー回生といい、これを制動力に利用したものを回生制動や回生ブレーキといいます。

電気自動車やハイブリット自動車のようなモーターで駆動することができる車では、駆動用モーターを発電機として利用し、運動エネルギーを電気エネルギーに変えて減速を行う回生ブレーキが備わっています。

このとき発電した電気は蓄電池に蓄えられ、再利用されます。
ただしモーターによる回生制動能力には限界があり、これだけで減速から停止を行うのは現実的ではありません。
そこで油圧式摩擦ブレーキと併用し、合わせて制御する機構になっており、これを「回生協調ブレーキ」といいます。

<回生協調ブレーキ>

回生ブレーキと油圧ブレーキを電子制御によって最も効率よく使い分けるのが回生協調ブレーキです。
そのため、油圧ブレーキを自動で制御するにはブレーキペダルとブレーキ本体の機械的なつながりをどこかで切り離す必要があり、ブレーキアクチュエーターという独自に油圧を制御できる装置をこれに用いるのが一般的です。

ブレーキペダルには様々なセンサーが付いており、ドライバーの意思を察知して減速を行ったり、シミュレーターによってペダルの踏み応えを再現したりしています。

具体的なシステムについては各自動車メーカーが独自に開発していて、例えばホンダがフィットEVに採用する電動サーボブレーキシステム、日産がフーガハイブリットなどに採用する電動型制御ブレーキ、トヨタがプリウスなどに採用するECB(=電子制御ブレーキシステム)などがあります。

<排気ブレーキ>

ディーゼルエンジン特有の装置である排気ブレーキ(=エキゾーストブレーキ)は、エンジンブレーキの効果を増幅させる補助ブレーキです。

その原理は、排気管に閉塞バルブを設けて排気圧力を増やし、エンジンの回転抵抗とするもの。
アクセルオフ時のみ作動し、アクセルを踏むかクラッチを切るかの動作をすると解除されるものが多いようです。

ディーゼルエンジンは車重の大きい大型車などに備えられることが多いのですが、大型車はその車重ゆえ、減速には大きなエネルギーを必要とします。

しかしフットブレーキだけを多用すると、フェード現象やベーパーロック現象が発生しブレーキが効かなくなるリスクが高くなります。
するとエンジンブレーキを積極的に使う必要が生じるのです。

しかし、実はディーゼルエンジンにはガソリンエンジンと比べてエンジンブレーキの効きが弱いといった特性があります。
この弱点を補うため、排気ブレーキが開発されました。

マフラーについている排気ブレーキのバルブとその制御機構
マフラーについている排気ブレーキのバルブとその制御機構

バルブ部分
バルブ部分

排気ブレーキ作動時点灯するランプ(下から2番目)
排気ブレーキ作動時点灯するランプ(下から2番目)

<圧縮解放ブレーキ>

これもディーゼルエンジン特有の補助ブレーキで、コンスタントスロットル式排気ブレーキ、ジェイクブレーキ、パワータード、エンジンリターダーなど、メーカーごとに様々な呼び名があり、排気ブレーキと組み合わせて使われることが多い機構です。

エンジンにおける圧縮行程でピストンが上死点付近に達した瞬間、バルブを開いて圧縮した空気を解放し、エネルギー損失とします。またさらに、上死点通過後に再びバルブを閉じることでシリンダー内の圧力を下げ、ピストンが下がる時の抵抗とします。

こういった原理によってエンジンブレーキとして作動するのです。

<リターダ>

流体式と電磁式がありますが、基本原理は同じで、プロペラシャフトなど駆動伝達軸の回転に抵抗力を与えるというもの。

「流体式」

プロペラシャフトと共に回転するローターと、車体に固定されているステーターという部品の間が流体で満たされていて、この流体をローターが撹拌するときに生じる抵抗によって駆動輪に制動力を伝えます。

流体は熱を得るので、冷却機構も共に備わることになります。

「電磁式」

プロペラシャフトと共に回転する金属板(ローター)と車体に固定された磁石から成ります。
磁石が作る磁界の中をローターが回転することによって電磁誘導を起こし、そのときローターに流れる誘導電流と磁石の磁場からローターには回転方向と反対向きにローレンツ力が生じます。

これがプロペラシャフトの回転抵抗となり、制動力として働きます。
またローターには誘導電流によってジュール熱が発生するので、エネルギーの観点から考えると、流体式と同じく運動エネルギーを熱エネルギーに変換するブレーキ機構であると言えるでしょう。

磁石には電磁石を用いるものと永久磁石を用いるものがあり、制動力は電磁石の方が勝るのですが、永久磁石の方が小型かつ軽量であるため、日本国内では永久磁石式リターダーが最も多く流通しているようです。

<ABS,TC,ESC,ブレーキLSD>

急ブレーキなどでタイヤと路面の摩擦力が限界を超え、タイヤが滑り出して回転が止まってしまうことをホイールロックといいますが、これを防ぐ機能が「ABS(アンチロックブレーキシステム)」です。

加えて、発進や加速時などの駆動力を保持する「TC(トラクションコントロール)」、コーナリング時などの車の挙動を安定させる「ESC(電子制御スタビリティコントロール=横滑り防止装置)」、ブレーキで駆動輪の作動を制限する「ブレーキLSD」など、これら先進安全装置は、制動装置としては働きませんが、ブレーキ制御の一環を担うという意味で立派な補助ブレーキだと考えることもできます。

これらは基本的に、回生協調ブレーキと同じく、ブレーキペダルに直結する油圧系統から独立して作動する(油圧経路自体は繋がっている)油圧装置(ブレーキアクチュエーター)によって各車輪の摩擦ブレーキをそれぞれ制御しています。

ABSの制御を行うブレーキアクチュエーター(ABSアクチュエーター)
ABSの制御を行うブレーキアクチュエーター(ABSアクチュエーター)

ブレーキペダルにより作動するメイン油圧経路のホース(左)とアクチュエーターから送られるABS用油圧経路(右)
ブレーキペダルにより作動するメイン油圧経路のホース(左)とアクチュエーターから送られるABS用油圧経路(右)

まとめ

以上、様々なブレーキを紹介してきましたが、こんなにも多くの種類があることから、「制動」というのは自動車の運動を制御する要素のなかで、「駆動」と共に一・二を争う最重要項目であるということが理解して頂けたのではないでしょうか。

今後もさらに技術は進歩し、より効率の良い制動装置が開発されていくと思われます。
誰が運転しても当たり前のように走り、曲がり、止まることができるのは、様々な先進技術によって車が制御されているおかげです。

私たちの楽しく安全なカーライフは、こういった技術開発に日々尽力しているエンジニアの方々に支えられているということを、是非忘れないでおきたいですね。

執筆:北海道大学自動車部

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